ゲームフィールド

どこから書き出そうか・・・。

 

まず、今生きているこの世の全てをゲームフィールドだと仮定する。

生まれた時にステータスが決まっていて死ぬまでにどこまで成長させる事が出来るか。

死んだら次のキャラクターでまた一からスタート。

単にプレイヤーのLvUPではなく、転生を何度も繰り返し魂をLvUPさせていく・・・云わば育成ゲームだ。

 

転生時に前のキャラクターの成長に応じたステータスボーナスが付くから、頑張って成長させると次のプレイが少しいい条件から始められる。

ロールプレイングゲームの王道「ウィザードリー」をプレイしたことはあるだろうか。

街外れの訓練場でキャラクター作成をする時をイメージしてみよう。

ただ、リセマラはできない。

 

 ステータスはありきたりな「体力」「賢さ」「素早さ」「魔力()」なんて大雑把な括りではない。

非常に多岐に分類される。

「視力」「味覚」「聴覚」「心肺能力」「先天性の病気」「血液型」「集中力」「言語理解力」「手の大きさ」「腕の長さ」「髪の色」「人種」「生まれる場所」「親の職業」「親の年齢」・・・・・・・・・・・・・・沢山ありすぎる。

 

仮に君が、10,000ptのステータスポイントをある程度自由に振り分けてゲームスタートする事としよう。

健常者として生まれてくる為に必要なポイントは3,000ptと仮定する。

あと7,000ptある。

日本人として日本に生まれるために必要なptはそこそこ高そうだ。

3,000ptと仮定しよう。

あと4,000pt

父親が金持ちで、母親と姉が美人。で、そこそこ豪邸。質の高い教育と良好な家族関係が用意された家の生まれを望んだら、残り4,000ptでは足りない。

転生を繰り返してステータスボーナスが沢山付かないと無理だ。

 

じゃあ、あと4,000ptで何ができるか?

当然だが、何に重きを置くかによって変わってくる。

金持ちじゃなくても平穏無事に暮らせるくらいの所得が有る家で、ある程度健康を維持できる体力が有り、将来険悪な人間関係が起こりづらい。

まあ、波乱万丈を敬遠するなら残りすべてのポイントを幅広く割り当てる必要があるだろう。

 

それでも日本人として日本に生まれたいなら、少し足りないかもしれない。

10,000ptで恵まれた家庭環境に生まれたいなら、もっと命の価値が低い国に生まれる事を選択するべきだ。

 

治安の良い国で、肉体的にも容姿的にも申し分無く、さらに恵まれた家に生まれる事が出来るのは、転生を繰り返し20,000pt以上を振り分けられるような廃プレイヤーだけだ。

 

さておき、冒頭にも書いた通りこのゲームは育成ゲームである。

しかも転生後のキャラクターは現世をゲームフィールドだとは思っていない。

自分自身で様々な事に気づき成長する。

成長した分だけ次回キャラクター設定時にボーナスが加算される。

 

沢山の人より恵まれたものをもって生まれた場合、そのキャラクターはちゃんと成長するのか。

容姿に恵まれた人間が、果たして容姿にコンプレックスを持つ人間の気持ちを理解できるのか。

食べるものに不自由の無い人間が、貧困にあえぐ者の惨めさが分かるのか。

 

このゲームはとても難易度の高いゲームだ。